もともと曲がったことが大嫌いだった
理不尽を押し付けられたりすることはあっても、決して自分は他人に迷惑をかけまいと、そう心に誓っていた
聖人君子でありたいと思っていたし、そうでなければならないと思っていた
けれど、生きていればどうしても、他人に頼ったり迷惑をかける時が必ずある
そんな完璧でない自分が許せなくて、自己嫌悪に陥ったりもした
心では分かっていても、身体が追いついてこなかったり、相反する気持ちのせいでうまくいかない時だってある
だから、無理に聖人君子であろうとしなくていいんじゃないだろうか
そこまで思っていなかったとしても、とにかく良い人でいないといけないなんて思わなくていいのだ
当然、人権を踏みにじるような行為はしてはならないが、どうしようもない時は逃げ出したって構わない
理想のカッコいい自分を追い求めることは、素晴らしいことだ
でも、そのあまりの偉大さに押しつぶされてしまっては意味がない
コツコツと今できることだけをして、できないことは気にしないようにする
そうしてたまに余裕がある時に、少し勇気を出して理想の自分に挑戦してみるくらいのスタンスでいいんだと思う
高過ぎる理想を掲げていれば、挫けてしまうこともあるだろう
でも、人生で失敗したことのない人なんてこれまでただの一人もいないんだから、次頑張るって思えればそれだけですごいことなんだ
今できればそりゃすご過ぎるけど、ずっと正しいなんてあり得ないのだから、自分なりのペースで高みを目指していこう
たとえ最期まで聖人君子になれなかったとしても、自分に誇りを持てるような立派な人生をおくれたとしたら、もう何も言うことはない