死のうとする人は無理に頑張るということがある
どうせ死ぬから最後の力を振り絞ろうとするその気持ちは、痛いほど理解できる
でもそんな気持ちでできることなんて、はっきり言って大したことはない
人間は生きようとするから、凄まじい力を出せるんだ
生を諦めた奴に、死を恐れる人が負けるはずがない
いつまでに死のうなんて考えている奴に、成し遂げられることなんて何一つないんだ
そんなこと言う俺も昔はそうだった
20歳になるまでには死のうと思ってた
何をやってもうまくいかず、過去に傷付けられたことばかり、頭の中で何度も何度も回想していた
自分の運の悪さを呪い、生まれてこなきゃよかった、全ての記憶を消せるなら消したいとさえ思っていた
これ以上生きていても、嫌な思い出が増えるばかりで、良いことなんて無いから、早く死にたかった
けれど、死ぬ勇気も無くて、結局自分で決めた20歳というゴールテープを切っても、生き続けてしまった
ただそれからも相変わらず死にたい気持ちが消えることもなく、毎晩今日も生きてしまった、明日には死んでないかなと思う日々が続いた
結局逃げているだけだと分かっていても、どうしたらいいのか分からず、ちょっと頑張ってみようと思っても、少ししんどいと死にたい気持ちが顔を出す
だから、死ぬという選択肢を一度消してみようと思ったんだ
そのために人との比較をやめて分不相応なプライドも捨て、心に余裕を持たせてみた
すると少しずつ変化はあった
まあ、無理矢理身体にしみこませたのだが
具体的に何をしたかといえば、ポジティブなワードを声に出すようにした
美味しいものを食べたら美味しい、綺麗な景色を見れば綺麗、楽しければ楽しいと
ただそれだけで、気持ちが楽になったような気がした
こんな自分でも生きていけるような気がしたんだ
自殺するから頑張れるなんてことは決してあり得ない
それだけ追い込まれて、今すぐにでも逃げ出したいのに、死ぬ前に頑張って周りに笑顔を見せられるなら、絶対に立派に生きられるはずだ