ずっとずっと死にたかった
でも死ねないから、余計に自分はダメな奴だと思った
だから、せめて生きてたい人たちの邪魔をしないように生きようと考えてた
無駄に酸素を吸って申し訳ないとさえ思ってた
無の存在になりたかった
自分の過去も現在も未来も全て無くして、生まれてきたこと自体を消したかった
そんなある時、人に馬鹿にされた
ある程度の事なら我慢するのだが、その時ばかりは自分の人間としての誇りにかけて許すわけにはいかないほど、強烈な怒りを覚えた
そしてその瞬間に、ああ、やっぱり自分も人間なんだって実感したんだ
何が正しくて何が間違っているかの判断がつく限り、どんなにそれまで無気力であったとしても、心にまだ火は灯るんだ
人間である以上、人を侮辱してはならない
それがたとえ今生きる気力を失っている相手だとしても、その弱みにつけこんで、さらに傷付けるような奴には決してなってはならないのだ
とにかく、自分のことを生きてる価値が無いなんて思わないで欲しい
今は何が起きても無関心で心が揺さぶられることもないかもしれない
けれど、何がきっかけで心が震えて、生きる気力や希望が出てくるかなんて誰にも分からない
人間としての優しさを持っている限り、きっといつか生きていけるようになる
その原動力が喜びなのか悲しみなのか怒りなのかは分からないが、そんなのは何だっていいんだ
魂が揺さぶられれば、生きてる実感が湧き出てくる
死にたくなるほど自分を愛せる人は誰よりも優しく、一度心に火が灯れば誰よりもたくましく生きられると思うんだ
だから、死んだ方がいいなんて考えることはないんだよ