人間誰しも過ちの一つや二つあるだろう。
しかし、その過ちを、己という作品のキズのままにしてしまう者と、そのキズすらも己の一部として受け入れる者とがいる。
もちろん過ちの大小もあるだろうが、その違いは何なのだろうか。
一度過ちを犯してしまえば、まるで自身が汚れたかのように感じ、その汚れを拭い去ることは容易ではない。
自分を許せるくらい後悔し、他人から許されるくらい反省しなければならないだろう。
そして、何度でも新たな自分へと生まれ変わらねばならない。
それでも、自分は許しても他人が許さない、あるいは他人が許しても自分を許せない時もあるかもしれない。
そんなもどかしい状況で大切なのは、自分のこれまで積んできた功徳と本当に許しを請うべき相手を見つめ直すことだ。
徳はいくら積んでも積みすぎるということはないが、ある程度積んでいれば自信となる。
また、知らず知らずのうちに本当に許しを請うべき相手を見誤っていたり、増やしすぎていたりすれば、それが重荷になる。
人間は脆いのだから、生きていれば必ずキズがつく。
結局は、どれだけ自分を生まれ変わらせられるか次第とも言える。
人間の身体は脱皮することはないが、心は脱皮を繰り返し、より強い心へと成長させていくのだ。
これまで人として生まれた者で、善のみを行った者はもちろんいないし、悪のみを行った者もいない。
今年もあと少しだ。
この機会にこれまでの己の行いを振り返ろうと思う。
最後に、今年は昔からの本を出版したいという夢が叶えることができました。
これも読者の皆様のおかげです。
本当にありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。