僕の背中に急に翼が生えたら、なんて妄想をたまにしてしまう。
世界中でただ一人、僕だけにしかできないことがあるなんて、とてもすごいことじゃないか。
そうなれば、僕は優雅にかつダイナミックに空を飛ぶよ。
みんなの眼差しを一身に受けて、僕は恥ずかしがることなく、堂々とベランダからそのままコンビニへと買い出しに行く。
バスケや野球でも異次元の活躍をして、きっと僕のために翼禁止ルールができるだろう。
なんて色々考えても、結局僕は、自分にしかできないことがあれば満足で、それが特別なことなら翼でも何でもいいのかもしれない。
けれど、本当の僕には翼も何もない。
それでも、僕のことを認めてくれる人が少なからずいて、その人たちの思いを無駄にしないためにも、僕は一歩ずつ進んで行くよ。
僕を特別な存在だと思ってくれる人が、僕を本当に特別な存在にしてくれる。
僕の心に勇気という名の翼を与えてくれる。
これってすごいことだよね。
本物の翼は分け与えることはできないけれど、心の翼は分かち合える。
お互いに尊重し合って、お互いを特別な人物にし合える関係をこれからも少しずつ増やしていきたい。