うつの心を震わせろ〜成功への道標〜

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親と子、為政者と民

親子の関係は、一見フェアではない。

そう言うと、親の立場が強くて子の立場が弱いのだと思われるかもしれない。

しかし、そうではない。

子が正しくないのならば、親も正しくないが、子が正しいからといって、親が必ず正しいかと言われればそうではない。

ここで言う「正しい」は、「道を踏み外していない」と置き換えてもよい。

つまり、子が正しくなければ、親は連帯責任で正しくなくなるが、子が正しいからといって、それが親自身の正しさの証明にはならないという一見アンフェアな状態になっている。

だが、それを承知で親になり、子の人生に対する責任を負うのであるから、決してアンフェアとは言えないだろう。

ところで、この関係性は、為政者と民の関係にもよく似ていると言える。

もちろん、為政者の背負う民に対する責任は、その数の多さから、親の子に対する責任よりも難しいものとなっている。

また、民が飢えているならば、それは為政者の失政であるが、民が幸福であるからといって、それが必ずしも為政者の功績であるとは言われない。

このように悪い時は非難され、良い時は忘れられる、まさに百害あって一利なしな役割を担うのが為政者というものなのだ。

自ら進んで親のように民を慈しみながら、身は慎み、悪を廃して、善を示し、徳によって国を治める。

そんな為政者でなくとも、身の回りにそうした気遣いをしてくれる人がいれば、見逃さずに感謝し、自身も周りの人のために行動していきたいものだ。

一人の小さな心がけが、十人を動かし、やがて百人、千人、万人、億人、さらには遥か先の兆人のより良い暮らしに繋がると信じて。