人を動かすには、その人の心に火をつけなければならない
人の心に火をつけるには、まず欲望を掻き立てること、そして自分にもできるのだという希望を与えることの二つが必要となる
たとえば、中国秦末期、陳勝という農民は蜂起した時、「王侯将相いずくんぞ種あらんや」という言葉で民衆の心に火をつけた
王や諸侯、将軍や宰相となるのに、決まった家柄などありはしない、つまり誰でもなれるという意味の言葉だ
この言葉の中には、先ほどの欲望と希望を抱かせる全てが詰まっていたといえる
そして、その言葉が結局、秦を滅ぼすきっかけとなる
つまり、人を動かしたいなら、動けば何を得られるかを示し、どうすればできるのかを見せつけてやることだ
そのためには相手の欲しいもの、いわゆるニーズと、相手の能力の限界を知る必要がある
人を動かす側と動かされる側の最大の違いはここにある
要は、相手の欲しいものを提供できるか、相手に欲しいものを提供してもらうかの違いだ
だからこそ、もしも人を動かす側に行きたいのならば、日頃から人を尊重する心を持って、人と接し、少しずつ与えられる側から与える側になっていかねばならない
それが自分の一部となるまで染み付いていけば、自ずと周りに影響を与えられる人物になっているはずだよ